ほんとに傑作。そうそう出会える作品ではない。
この作品を評価している人なら誰に聞いても,きっと最初に挙げるであろうポイントはモノローグだと思う。
それくらい,モノローグが"すごい"!
何がすごいかというと,1つは,その場面においての登場人物の心に浮かんできたその感情がとてもナチュラルで,共感度Maxであるということ。
もう1つは,その感情が非常に抽象的でもやもやとしたものであるにも関わらず,言語化が的確で画期的だということ。
やっぱり,一般の人と小説家の違いというか,本を書くことが誰でもできる仕事ではないのって,「"自分が表現できないもの"が言語化されていること」に読む人が感動するからだと思います。
その点で,この作品は文学として面白いし,感動する。
この作品見て思い出した作品があって,国語の模試の問題の文章として最初に読んだ作品なんですが,太宰治の「待つ」という作品。これを読んだときに感動した方向と同じ方向の感動だなと初めて1話を観たとき思いました。
「待つ」に出てくる主人公とも似ているんですが,僕はやっぱりしまむらにめちゃくちゃ共感できるんですよね。
この"しまむららしさ"を表す絶妙な表現をなかなか思いつかなかったんですが,撮影監督さんのインタビュー記事(あだしまの公式サイトで読めます)で,『ニュートラル感』というぴったりの言葉で表現されていて,「まさにこれがしまむらをひと言で表す言葉だ!」と1人でちょっと感動してしまいました。
【しまむらしまむら】
しまむらみたいなキャラクターって結構珍しいと思うんですよね。
別にクールキャラではないんだけど,一歩引いて物事を見ている。
まだ観てない方に勘違いしてほしくないのは,この話は内向的な安達が社交的なしまむらと出会って少しずつ社交的になって...というよくあるストーリーではありません!
むしろしまむらの方が,他者と一定の距離をとっておきたいと感じている。一人は退屈だけど,人と接して疲弊して自分をすり減らすことの方がしんどい。別に人と話すこととかが嫌いなわけじゃないから,普通に話すんだけど,積極的にそれ以上の関係になりたいとは思わない。
この微妙な"ニュートラル感"がやっぱり共感できます。
ま、安達もしまむらのアンニュイさがかわいいって言ってたもんね!!!
【哲学マシマシ】
"モノローグ"が哲学的なのが最高なん。
アニメーションの演出も素晴らしくて,背景の架空の海や雪や宇宙の演出も,原作の良い表現をさらに素晴らしくしています。
特にウユニ塩湖がお気に入りです。
とろけそうな柔らかな色彩が素晴らしくて,オープニングもすごく良いなと思いました。
【なんだばしゃぁぁぁぁ】
これはさすがに円盤全巻買っちゃいましたね。
円盤買ったのヴァイオレットぶりです。
あ,あとdアニメストアの秋アニメふりかえりで推薦文選ばれたのめっちゃ嬉しかったです!
dアニメストアver.
♪安達としまむら♪
安達としまむら2視点の"モノローグ"が本当に素晴らしい作品です!
特にしまむらのモノローグが本当にすごい!
こんなに共感できるキャラクターに出会ったの初めてかも!?
ものすごく自然でリアリティがあってすごく共感できて,それでいて哲学的な問いを感じさせる...
自分が高校生の時に感じた「他者との距離の取り方に対する問い」そのものが,ものすごく的確に表現されている!と感動しました。
この哲学っぽさがこの作品の魅力で深いところです♪
アニメーションの映像演出もすごく良くて,とろけそうな柔らかな色彩が美しく,オープニングもとっても素敵です。
ぜひおすすめしたい傑作です!
作曲者の方々のお話がとっても良かった!
絶対サントラ買うよ!
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